先祖から代々受け継いできた山林がたまたま売れたというとき、その山林の売上について消費税を納付する義務が生じるのかという疑問があります。
これについては、国税庁のHPにこういった質疑応答事例があります。
【照会要旨】
小売業を営む個人の課税事業者が、先祖代々所有している雑木林を土地とともにゴルフ場を新設しようとする事業者に譲渡した場合、その山林の譲渡は事業として行う資産の譲渡等に該当するのでしょうか。
【回答要旨】
山林の育成には通常50年程度かかることから、山林の伐採、譲渡が事業として行われるものであるかどうかは、伐採、譲渡の反復・継続性のほかに伐採、譲渡の準備行為ともいえる山林の育成、管理の度合も加味して総合的に判断する必要があり、山林の育成・管理が伐採、譲渡のために十分な程度行われている場合には事業に該当することとなります。
したがって、植林を行い、伐採、譲渡を行うことを予定して育成・管理を行っていた山林を伐採、譲渡した場合には、たとえその者における伐採、譲渡が数十年に1回しか行われない場合であっても、事業として行う資産の譲渡に該当することとなります。
これに対して、事例のような場合には、たとえ年に1、2回程度下草刈り等を行っていたとしても、伐採、譲渡を行うことを予定して育成・管理を行っているものではありませんから、事業として行う資産の譲渡には該当しないこととなります。
これによると
植林して売るのが目的だった→消費税を納付する義務が生じる
持っていた雑木林がたまたま売れた→義務は生じない
ということになります。
事例の場合、先祖代々持っていた雑木林を予測できなかった相手(ゴルフ場開発者)に売るので、事業性がなく、消費税を納付する義務は生じないということになります。
具体的には、個別事例ごとの判断が必要になりますが、参考になる質疑応答事例です。
(注)執筆時点の商品・サービス・法令等に基づいて作成しています。具体的な事例に適用するには記事の内容と異なる場合がある可能性にご留意ください。
【編集後記】
午前中打ち合わせ
午後はオンライン研修
夕方に6キロラン