会社が役員に対して支給する給与は
【1】定期同額給与
【2】事前確定届出給与
【3】業績連動給与
の3つに区分されています。
なお、いずれにも該当しない給与の額は、会社の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。
そのうち、今回は業績連動給与について。
業績連動給与とは、同族会社に該当しない会社が、一定の業務執行役員に対して支給する、利益に関する指標を基礎として算定される給与を指して言います。
業績によって役員の給与を支給できるなら、これはかなりいい制度では?と思うのですが、実はほとんどの中小企業で利用されていません。
その理由は、入口の「同族会社に該当しない会社が」というところ。
日本の中小企業のほとんどが同族会社ですので、その時点でムリとなってしまうわけです(非同族会社による完全支配関係がある同族会社はOK)。
また、「利益に関する指標」とありますが、この指標や算定方法は有価証券報告書などで開示する必要があります。
そうなると現状、有価証券報告書を提出しているような企業でしか導入ができません。
このように業績連動給与は、導入のハードルがかなり高いため、実質的には中小企業では定期同額給与または事前確定届出給与で支給する2択になっています。
(注)執筆時点の商品・サービス・法令等に基づいて作成しています。具体的な事例に適用するには記事の内容と異なる場合がある可能性にご留意ください。
【編集後記】
9月申告の準備
週末のお天気が気になります